生命保険には配当金があります。配当金とは保険会社が保険料を運営した際の余剰金を、契約者に支払う仕組みことです。契約者が支払う保険料は保険会社が予定率を計算した上で決めています。予定率には予定死亡率・予定利率・予定事業費率の3種類があります。
しかし、実際の死亡者数・運用利回り・事業費は予定率と異なる場合があります。集めた保険料に対してかかった費用の方が少なかった場合の差益のことを余剰金と呼びます。余剰金を契約者に還元する仕組みが配当金です。配当金の差益には「死差益」「利差益」「費差益」の3種類があります。
死差益は、保険会社が統計データを基に予想した死亡率よりも実際の志望者数が少なかった場合に発生した差益のことです。利差益とは運用成績が予想よりも良かった場合の余剰金のことです。費差益は保険商品の運営予想費と実際の費用の差によって生まれた差益のことです。
保険会社は保険商品を運営するに当たって、運営費をあらかじめ予想し保険料を決めます。予想よりも運営費がかからなかった場合の差額分が費差益になります。
配当金は全ての生命保険で支払われるわけではありません。有配当保険、利差配当付保険、無配当保険と種類があり、配当金が支払われる割合がそれぞれ違います。無配当保険には配当金が支払われません。
配当金の受け取り方にも違いがあります。受け取り方法は4種類で「積立配当」「保険金買い増し」「相殺配当」「現金配当」があります。積立配当はその名の通り配当金を積み立てる方式です。積み立てられた配当金は契約者からの請求や、契約が終了した際に保険会社から支払われます。
個人保険の契約では一番多い支払い方法です。配当金には一定の利息がつく場合もあります。保険金買い増しは、配当金を保険料として、別の保険を買い増す方法です。相殺配当は、発生した配当金を受け取らずに保険料の支払いに回す方法です。現金配当は、配当金の受け取りを現金で行う方法です。個人保険では利用されず、会社などの団体保険で利用されます。
その他にも配当金を受け取る上で知っておかなければいけないことがあります。配当金には特別配当というものがあります。長期契約者を対象として支払われる配当金であり、通常の配当金とは性質が異なります。
特別配当には2種類が存在します。一つは継続した保険契約に対して支払われる長期継続特別配当と、もう一つは死亡や契約の消滅の際に支払われる消滅時特別配当です。配当が支払われる条件は違いますが、配当金が保険金に加算して課税の対象となる点は通常の配当と同様です。特別配当の受け取りには手続きが必要になります。保険会社に内容をよく確認しましょう。
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