解約返戻金とは、保険を解除した際に保険会社から払い戻されるお金のことです。しかし、どの保険でも払い戻しされるわけではありません。解約払戻金にも種類があり、自身が入っている保険の解約払戻金がどの型に当てはまるのか確認する必要があります。
終身保険や、養老保険など、契約期間が長期の保険では解約返戻金が戻ります。しかし、同じ死亡保険でも保険料の低い定期保険や万が一の病気に備える医療保険などの、備えるための保険では解約払戻金は戻らないことがほとんどで、あってもごくわずかです。
解約返戻金がある場合でも必ずしも満額戻ってくるわけではありません。備蓄性のある保険は、保証部分と備蓄部分があり、貯蓄部分が解約払戻金となります。また、解約返戻金は保険料払込期間中に途中解約してしまうと少なくなります。払い込んだ保険料の累計より上回る場合もありますが、ほとんどが払込期間が満了後のケースです。
満期保険金と解約返戻金の違いは、満期保険金は保険契約満了までなにごともなければ戻ってくるお金のことです。満期保険金を受け取れるのは一定の年齢に達したときなので、これを老後資金に見込んでいる方もいます。
それに対し、解約返戻金は契約をしている保険を途中解約した場合に受け取れるお金です。保険会社は契約者から集めた保険料を運用して資金を増やしています。途中解約の場合は、予定していた運用期間よりも短くなってしまうため戻ってくるお金が少額になるケースが多くなります。
解約返戻金には3つの型があります。「低解約返戻金型」「従来型」「無解約返戻金型」です。「従来型」の保険は、支払った保険料の金額に応じて解約返戻金が増えていきます。保険料の支払い終了後には、支払った保険料と同程度の解約返戻金となります。
「低解約返戻金型」の保険は、保険期間中の払い戻し率が低く、保険料支払い終了後に解約返戻金が大きく増えるという特徴があります。「無解約返戻金型」の保険は、定期保険や医療保険に多く見られるタイプで、解約返戻金が全く付かないか、ほとんど支払われません。
解約払戻金には税金がかかる場合があります。払い戻された解約返戻金がそれまでに支払った保険料よりも多かった場合、その差額分が一時所得として所得税の課税対象として扱われます。差額分、保険によって利益を得たと見なされるからです。具体的には解約返戻金と払込保険料累計額の差益が50万円を超えた場合です。差益が50万円を超えない場合は所得税はかかりません。
また、保険料の支払い者と解約返戻金の受け取り者が違った場合は、贈与税の対象となることがあります。その場合、保険料の支払い合計額に関係なく、受け取った解約返戻金額の全額が課税対象となるため、税金が高くなる可能性があります。
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