どのような工程を踏めば成功するのか?気になるところです。
病院やクリニックなどで、職場環境を変えることは、
医師としてのスキルや経験を重ねることにつながりますし、
私も転職支援において提案をすることが多いです。
同様に、数年後の開業を前提とした転職という事例も少なくありません。
私も過去に開業準備のために転職をしたいという
先生のお手伝いをしたことが何度もあります。
今回はそのうちの一つをご紹介いたします。
お手伝いをさせていただいた先生は、
整形外科医師として外傷や関節領域などの手術の研鑽も積まれていましたが、
ご本人としては、術後のケアを専門とした「保存療法」に長けた医師が
医療業界において必要だと考えておられました。
その時は、リハビリテーション医学会専門医の取得を目指すということで
お手伝いをさせていただき、無事に取得可能な医療機関に入職され、
その後のご活躍は何度も耳にしていました。
数年後・・・
先生より「気軽に診察やリハビリを患者様が受けに来られる環境を
用意してあげたい」=「開業」を強く意識するようになったので、
開業のための修行のできる環境を紹介してもらえませんか?と連絡がありました。
私自身、転職支援に携わる前は開業支援のコンサルタントをしておりましたので、
有する知識を余すことなく先生にお話ししました。
先生もそのお話にご納得され、クリニックでのご就業を希望されるようになりました。
この先生のケースで私が特にお話をさせていただいたのは、以下の点です。
クリニックの患者様は来院の動機が「完治」を前提とするような病院とは違うため、
どちらかといえば安心感を持てるような診察をしていただきたい。
疾患と向き合うよりは、患者様、スタッフなど、対人業務がすべての基本となるので、
人材マネジメントの難しさを肌で感じていただき、
乗り越えるスキルと知識を修行時に培っていただきたい。
成功している院長先生は、どのような理念・コンセプトでクリニックを運営しているのか?
立地や設備等ではない、”無形の財産”に対しての気づきを得ていただきたい。
以上の3点です。
お人柄などは言うまでもありませんが、
上記のようなスキルや知識、マインドは必要不可欠なものです。
つまり、医師として一国一城の主になるために必要な、
「医学以外の知識」を持つことが開業までに必要な修行のポイントだと思っています。
結果、この先生は5年の分院長としての経験を経て、
昨年見事に立派なクリニックをご開業され、早々に黒字経営の軌道にも乗られたと聞いています。
開業においては、開業資金は融資を受けてスタートするケースが大半ですが、
これを早期に前倒しで返済できる資金力を得ることも開業の成功要因でもあります。
早期に黒字収益を実現させるための準備やイメージを持つことが大変重要ですし、
逆に言うと、そのようなイメージや情報収集を伴わない中での開業は回避すべきだと考えています。
開業をお考えの先生方には、ぜひしっかり準備をしていただき、
成功を果たしていただきたいと思います。