勤務医・開業医の節税・資産形成のための総合情報サイト 医師資産形成.com 編集部です。医師資産形成.comでは、医師の資産形成に役立つ資料を無料にて提供しています。
お役立ち資料のダウンロード(無料)▼
すぐに自分に合った節税・投資を始めたい方はこちら▼
医師が開業するには、手順としてどのようなステップを踏むと良いのでしょうか? 開業にまつわる書類や手続きは膨大で、開業医が一人で全て行うことは難しいため、開業に向けてしっかりと計画を立てておく必要があります。この記事では、医師として開業する人に向けて、開業までの流れと気になる資金などの話について、解説します。
医師が開業するタイミングのモデルケースとしては、医師としての自信がつく40歳前半が多いといわれていますが、実際のところはどうなのでしょうか? 日本医師会の調査によると、新規開業の場合の開業した年齢は平均41.3歳で、あながちモデルケースと実態は、かけ離れているわけではないようです。
また、開業医として新規開業した動機を見てみると、最も多い回答は、「理想の医療の追求」が42.4%、次いで「将来に限界を感じた」が35.1%など、医師としてのやりがいや精神的なストレスからの理由が多く、自身の気持ちや、資金面での準備ができたその時が、開業する最高のタイミングであると考えられます。
開業医として独立すると、メリットばかりではなく、デメリットもあります。開業医になると、自分のペースで業務ができ、収入も増加するというメリットがある反面、勤務医時代とは少し異なった多忙さを経験するというデメリットが挙げられます。
医師が実際に、開業に向けて歩むステップは、一般的には以下の通りです。
開業医として新たにスタートしても、患者に来てもらわなければ、経営は成り立ちません。交通の利便性の高さ、駐車場の有無、診療圏の人口等、好立地の物件探しは、開業医としての成功を左右する大事な要素です。
開業後、仮に売り上げが思わしくなく、引っ越しともなれば、またさらに費用もかかる上、時間も消費してしまいます。
なお、開業医向けの不動産も存在します。他の医療機関と併設している医療ビルなども多く、相乗効果が生まれることもあります。また、担当者も医療業界の事情に詳しいため、要望をくみ取った物件を探してくれる可能性が高いです。
心電図、エコー、電子カルテ、内視鏡といった診察や治療に必要な医療機器、待合室のソファー、診察室の机・椅子、パソコン、電話といった什器備品、その他、空調工事といった内装造作費も準備をしておく必要があります。
医療機器は、メーカーによって大きさもさまざまです。設計士、建築業者と提携して医療機器の設置を行うなど、開業医向けの専門業者に任せることで、機能はもちろん、診療所の面積も加味した最適な機器を提案してくれます。
診療所を開業する場合は、物件の契約、医療設備の導入、看護師、その他スタッフの確保が必要なので、非常に高額な初期費用が必要になるという問題があります。初期費用としては、1,000万円程度の貯蓄を用意しておくと良いですが、自身で用意している初期費用が少ない場合は、金融機関の融資を活用することになります。
しかし、金融機関の融資を受けるためには、膨大な資料を作成し、金融機関が融資をすることに納得できるよう、説明しなければなりません。もし、金融機関との融資の交渉に対し、どんな資料を作っていいか分からない場合は、開業支援のセミナーに参加したり、開業医向けのコンサルタントに相談したりしてみましょう。
開業医向けのコンサルタントは、物件選び、開業にかかる資金調達、医療機器の選定、職員の募集、広告のサポートなど、開業にまつわる業務を一括でアドバイスしてくれる、心強い存在です。
診療所を開業する場合、「医師が一人いれば良い」というわけではありません。受付や看護師といったスタッフを確保していく必要があります。また、スタッフとは、社会保険やその他の福利厚生に関しての打ち合わせを行い、後々のトラブルがないよう、雇用条件を明確にし、同意をもらった上で働いてもらう必要があります。
なお、雇用準備の工程を行うことが難しい場合は、雇用や社会保険専門のコンサルタントがいますので、活用してみましょう。
弁護士などとは異なり、医師会に加入していなくても、開業することは可能です。しかし、医師会に入会すると、健診や予防接種など、自治体で費用を助成する事業の委託を受けられることや、学校職員として学校の保健安全、環境衛生に関わる校医として優先的に指定されるなどといったメリットがあるため、入会を選ぶ人は多いようです。
また、近隣の開業医や勤務医などとも親睦を深めることができ、他地域の医療機関との連携ができる可能性があることもメリットといえるでしょう。
ただし、地方によってルールが異なり、事前にあいさつしないうちに開業したことを知られると、「入会しない」とみなされてしまう地方の医師会もあるので、注意が必要です。加入しておくと、メリットは確かに大きいですが、日本医師会、都道府県医師会、群市区医師会の 3つの同時加入をすることになるため、年会費は100万~500万円に及び、開業資金として準備をしておく必要があります。
その他、開業の際には、多くの許可や申請書が必要となります。
ここで紹介するのは、ほんの一部ですが、それでも多くの提出先があることが分かります。
書類 | 提出先 | |
開設許可 | 診療所開設届 | 所管の保健所 |
X線備付届 | 病院・診療所所在地の各区保健福祉センター保健業務担当 | |
保健医療機関指定申請書 | 医療機関または薬局の所在地を管轄する地方厚生(支)局 | |
施設基準届出書 | 厚生局 | |
税金関連 | 個人事業解説届 | 所轄税務署 |
青色申告承認申請書 | ||
源泉徴収の納期特例に関する届出書 | ||
保険関連 | スタッフの社会保険 | 年金事務所 |
労災保険 | 最寄の都道府県労働局、労働基準監督署、公共職業安定書(ハローワーク) | |
厚生年金 |
とはいえ、すべての開業に関わる手続きや準備をお一人で行うことは困難です。開業コンサルタントや税理士など、開業を専門にしているアドバイザーに相談しながら効率よく進めていくことが大切です。開業コンサルタントの選び方や費用相場については、開業物件総合サイト「医院開業バンク」のこちらの記事がわかりやすく解説しています。自己資金にもよりますが、専門家に依頼できる部分はお願いした方がスムーズです。
開業医向け医院開業コンサルタントの費用相場|スムーズに進めるコツを解説
医者の開業資金・自己資金はいくら必要?|資金調達に失敗しないためのポイントを解説
また、新規開業か継承開業かによっても、その費用や手順は大きく異なるため、どちらを希望するのか要件整理を行いましょう。
医師の継承開業とは|新規開業と比較してメリット・デメリットをくわしく解説!
医師が開業を行うには、開業にまつわる知識と、入念な準備に加え、煩雑な手続きが待っています。そして何より自己資金の準備が最重要な課題となります。働きながらこれらのことを全て行うのは、大変な労力を要します。これらの開業に関する業務を行っている間は、診療によって報酬を得る機会を損失していることになるため、適度に専門家の力を借りながら進めましょう。
医師資産形成.comでは、開業を目指す先生や、開業資金のための資産形成を行う先生方を無料でサポートしています。
無料相談はこちらから↓
開業したばかりの診療所は、地域でも注目されています。スムーズに開業するためにも、開業にまつわる手続きはすべて自分で行おうとせず適宜詳しい専門会社や開業コンサルタントに依頼し、診療に専念できる環境を整えることにあります。地域に根差す開業医として、より良いスタートダッシュを切りましょう。医師資産形成.comでは現開業医、将来の開業医となる方の資金調達や資産形成の相談も受け付けています。