予定利率とは、保険契約時に保険会社が約束する運用利率のことです。保険会社は契約者から集めた保険料を、将来の保険金の支払いにあてるために運用して増やしています。集めた資金によってどれくらいの利回りで運用できるのかを予想して保険料を決めています。
予定利率には「予定利率」「予定死亡率」「予定事業費率」の3種類があり、合わせて「基礎率」といいます。この基礎率を基準にして、保険会社は保険料を決めています。この予定利率が保険料を左右しているため、予定利率が高ければ保険料が割引になり、予定利率が低ければ保険料が割高になります。
予定利率が高いということは、保険料の運用による利益が多く望めるため、その分保険料から割り引くことができます。運用収益が高い保険は、保険料も安く保証も手厚くなります。逆に予想利率が低い保険の場合は、保険料による運用利益の増益が望めないため、保険料が高く保証内容もそれほど手厚いものではなくなる可能性があります。
予定利率は基礎率によって決まるとお話ししましたが、他にも予定利率を左右する指標があります。それが「標準利率」と呼ばれるものです。標準利率とは、金融庁が保険会社に対して、予定利率の目安として設定している運用利回りのことです。
保険会社が予定利率を決定する最終的判断は保険会社によって異なりますが、標準利率も参考にしています。金融庁が国債の利回りを元に決めているため、利回りの低下に伴って標準利率も下落を続けています。昔の保険の方が条件がいいのはこのためです。過去に加入した保険はそのときの利率が引き継がれているので、今の保険では考えられないほどの高利率である場合があります。過去に加入した保険がある場合、すぐに乗り換えずに予定利率をチェックすることをお勧めします。
そういった利率の高い保険をお持ちではない場合は、保険を見直しする選択肢もあります。生命保険は長期契約を前提として持ちけるものです。保険には予定利率が固定されているのもと、市場の金利によって変動するのもがあります。今後保険を長期保有している間に金利の上昇が見込めると判断した場合は、金利と予想利率が連動するタイプの保険を選ぶといいでしょう。その場合の選択肢としては「積立利率変動型終身保険」「外貨建ての保険」「変額保険」などが考えられます。
注意点としては、どのような状態になれば予定利率が変動するのかは保険商品によって異なるという点です。例えば、予定利率の見直しタイミングが10年毎にしかないなどです。保険商品によっては、必ずしも市場の金利が反映されるわけではないところは注意が必要です。また、市場の金利が反映されるということは、現在の予想利率よりも下がるリスクもあります。リスクがあることを踏まえた上での判断が求められます。
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